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イグドラシルの継承者~過去編 5~

2008-06-15 Sun 13:12
「さぁ、かかってきなさい、有象無象ども」
 杖を一振りし構えをとると、それまで大挙していた魔物の群れがぴたりと止まる。ユリアの驚異的な、聖職者としてはありえないほどの殺気がそうさせた。
 その止まった魔物の戦列に一瞬にして近寄る。振り上げた杖に一瞬にして炎が纏う。
「MagnumBreak!」
 一瞬にして纏った炎が爆発した。衝撃がイグドラシルの根を揺るがし、魔物の戦列を吹き飛ばした。
 一匹すら通すつもりは無い。その圧倒的な覚悟と意志が、魔物たちの意識をユリアに集中させる。大量の魔物の群れが、ユリアを飲み込まんと動き出した。
 突出した一匹、竜族のモンスターであるプティットを対象に、この一年で覚えた技を発動させる。一瞬の隙、そこに全力を叩き込み、連鎖的にダメージを与える騎士の必殺技。
「Bowling・・・Bash!」
 プティットが吹き飛び、その後ろに居た魔物たちが大量に巻き込まれ四散する。レイシアに頼んで作り上げてもらった戦闘用の杖の威力に内心驚きつつも、彼女はそれを表に出さず魔物の戦列に立ちはだかり、高々と告げた。
「このまま消えるなら追いはしない、しかしここを通りたければ・・・死を覚悟なさい!」

「バルムンクよ、その身を鍵としてかの扉を封印せよ!」
 ゴォ・・・・・ン、ゴゴ、ォ・・ン
 大地を揺るがすほどの音と共に、謁見の間に存在した巨大な扉は剣による封印を施された。それを見届けて国王は静かに謁見の間の入り口を見つめる。そこにすぐに現れるであろう人物を待ちながら。
 現れた人物を見て、国王は小さくため息をつく、やはり・・・判断を誤ったのかと。
「どうしたノルン、謁見の間には何も無いぞ?」
「まぁ、そうだろうなぁ。老いぼれが扉を閉じちまったもんなぁ?」
「やはり、貴様が魔物の手引きをしたのか?」
「そのとおり、そうしてほしかったんだろう? ご期待に添えないとわりぃしなぁ?」
 陰鬱な笑みを浮かべながら話すノルンに対し、国王は剣を構えた。今まで光に目覚めると思っていたが、もはや切り捨てるしかない。否、もっと早くそうしておくべきだったのだと自分を叱咤し、剣を前に迷いを消す。
「ったく、じーさんも余計な事してんじゃねぇよなぁ? 老いぼれは老いぼれらしく・・・とっとと死んでなっ!」
 手に集まる雷球、それがユピテルサンダーであると気付くよりも速く体が電撃を受ける。肉のこげる匂いとともに、その体が揺れる。けれど倒れない。
「・・・チッ、おもったよりしぶといじゃねーかよ」
「・・・ワシを舐めておるのか若造?」
 威厳の満ちた声が響く。その声に一切の揺るぎは無い。恐ろしいほどの強い目をして、ノルンを見据える。
「ワシをダレだと思っておる?グラストヘイムを平定し、収め、民をまとめておった一国の王だぞ?民を守り、国を守り、秩序を守り、妻と娘を守ってきた。民に守られ、国に守られ、秩序と妻と娘に守られてきた一国の王だぞ?おいそれと死なぬ、貴様のような若造においそれと殺されはせぬのだ」
「・・・なら、試してみっかねぇ・・・・・・冥途の土産だ」
 冷たい声が響く。言葉は踊る、踊り、踊りて力を持ち、魔力を編んで魔法とする。
「氷の水晶、氷結の女神、水の精霊、風の意志、ゆきてまじりて踊りて遊べ!」
 突如として強烈な吹雪がまう、それも国王の周りだけに。やがて、ピシピキと音が響く。服が、髪が、皮膚が、血液が、大気が、床が、あらゆるものが凍てついていく。
「ぐっ・・・なんだ、これは・・・フロストダイバーではないなっ!?」 
「フロストダイバーの上位魔法・・・フロストノヴァ・・・ご期待の新作の味はどうだぃ?国王さんよぉ?」
 腕が、足が、服が、皮膚が、髪が・・・凍り付いていく。その吹雪はやがて収まり、四肢を凍結させられた生きた人氷柱が完成する。
「生きたまま氷付けにされる気分はどうだよ? 老いぼれ。あとどれぐらいで死ぬだろうなぁ?ええ?」
 ノルンが腕を振り上げると、火の玉が飛び出す。ガシャンという音とともに、左腕が砕け散る。
「ぐっ・・・貴様、それほどの才覚がありながら・・・何故闇に心を奪われるっ!」
「奪われた?違うね・・・最初から俺は闇にいただけさぁ。お前が気付かなかっただけだろ?老いぼれ」
 氷の槍が形成され、国王をめがけて堕ちる。動く事も出来ずにその身を氷柱に貫かれる、それでも彼は果てない。
「・・・愚かな、光の道もあったであろうに・・・哀れな事だ・・・」
「・・・ハッ、そんな道いらねぇよ・・・そろそろ死になぁっ!」
 両手にあらぬ魔力が集約する。上級魔術師にしか仕えない高位魔法、メテオストームを放つための魔力が集約と増幅を繰り返す。
「天の星、地の星、赤き煌きは幾千のつぶてとならん。礫を我が声を聞け!その身を固め岩として、燃えて盛りて降り注ぐがいい!・・・メテオストーム!」
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